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悟りの味

仏教と密教

菩提さとりの心を形で観ずるときは月輪

文字をもっていすると阿(a)字である

と『菩提心論』にあります。

そして、

もともとある悟りの心をよくよく観察すると、
水の静かにして清浄なるが如く、
満月の光の虚空に遍満して、
恍惚としてあらゆる分別はからいを離れたるが如くである。

その清浄にして分別を離れた境地を三摩地といい、
その境地の明亮なること、
なおし満月の潔白にして分明に一切を照らすが如く、

と書かれています。

阿字は本不生、もとよりのありのまま、
すべての基本、そこからはじまり、全てに含まれる音。

味はどうだろうか。

『理観啓白文』に、
総持は一切如来の甘露の智水なり。
三世諸仏の醍醐の妙薬なり
一字も臓に入れば万病生ぜず。
即身に仏身の空寂を証得す   

『性霊集』第九87には、
顕教は)
甘露の義を演説することを聞くといえども、
恐らくは醍醐の味を嘗むること闕きてん。

甘露はamṛtaで、ソーマ酒、神々の飲料

醍醐はmaṇḍa、五味のうち最上のもの。


『十住心論』に。

心病を治する術は大聖能く説きたまへり。
その経は即ち五蔵の法是なり
所謂五蔵とは、修多羅と毘奈耶と阿毘達磨と般若と惣持等の蔵なり
かくの如くの五蔵は、
たとえば牛の五味の如し、
乳と酪と生熟の両酥と醍醐とついでの如くこれを配せよ

つまり、

経ー乳
律ー酪  (牛、山羊の乳を発酵させたもの、ヨーグルト?)
論ー生酥しょうそ (酪を精製したもの、チーズ?)
般若ー熟酥じゅくそ(生酥をさらに精製したもの)
陀羅尼ー醍醐(牛乳を精製して作った純粋最上の味のもの。非常に濃厚な甘味で薬用)

陀羅尼の教え、つまり密教は、
醍醐のように、重病を治すことができる。
それは、
三密行によって即身成仏することで、
速やかに根源的な無知の根を抜き取ることができるから。

『日英佛教語辞典』では、
clarified butter;the last and most refined of the four milk products

醍醐味がどんなものかはわからないけれど、
そういうものがあるならば、
飲めば心晴れ、
さわやかな風が身体を通り抜け、
広々とした静かな心になるのだろう。

心静かにまとめ、
集中し、
統一するような。

ごはんを食べた時のような。

醍醐の味とは、
深い瞑想の味。

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