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欲の世界で自心を知る

仏教と密教

衆生が輪廻する世界を三界(さんがい)と云います。
常に変化している心のこと。

1、欲界
欲望にとらわれた衆生が住む世界。
このなかに、
地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六道があり、
天の中に六つの世界があります。

2、色界(しきかい)
色はモノのこと。
淫欲と食欲の二欲を離れた衆生が住む物質世界。
心の集中レベルによって、四つの世界があります。

3、無色界(むしきかい)
物質的なものから完全に離れた衆生が住む、精神世界。
禅定と三摩地の世界。

欲望の世界、物質世界、精神世界のみっつですが、
多くの経典は、2、の色界で説かれています。
『金剛頂経』が説かれたのは、色界の一番上にある色究竟天。

しかし、
真言宗で常用している『理趣経』は、
「金剛大毘盧遮那如來 在於欲界他化自在天王宮中
 一切如來 常所遊處 吉祥稱歎 大摩尼殿」
とあるように、
1、の欲望世界の一番上にある、他化自在天で説かれています。

松長先生は、
理趣経の内容というのは欲の世界にいて欲を離れることだから、
欲の世界の一番上の他化自在天で説くのがふさわしい、
と書かれています。(『理趣経』)

他化自在天について『理趣釈』には、
「他化自在天宮とは、名づけて欲界の頂となす。
 他化自在天王宮殿の菩薩は、
 条件によって生起する現象界のすがたが目の当たりに現れる境地
 を証得し、般若波羅蜜観に住して、多くはこの天衆の王となり、
 天人のために般若波羅蜜を説く。
 その天界は五欲殊勝にして諸天に超越す。
 この故に毘盧遮那仏、金剛薩埵の為に大楽・大貪染を説き、
 速疾に加持して瑜伽の理趣を現証したもう。
 これによって世間の雑染、諸の煩悩に染せざるを聞くことを得、魔羅の境を超越す」

ここでは、
見る聞く嗅ぐなど五感の欲望が勝れていて、
神々のそれを越えている。
大日如来は大いなる安楽、大いなる貪りを説き、
密教瞑想のシステムを悟っている。
これによって、世間の貪り、様々な煩悩に染まらないことを聞き、
魔の世界を超越する。

欲望というのは仮に作り出されたもの、と知れば、
受け取るこちらは、それを良いようにも悪いようにも、
自由自在にできる、ということ。

煩悩の根本は、
自自でないものを事実と考え、
無いものを有ると考えることです。

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