市電に乗るため。
初めてひとりでホテルに泊まった。
ドアマンに、
交通公社で予約した〇〇です、
と、150センチのチビが大きな声で言う。
承っております、
と丁寧な対応。
フロントで、
明日の朝食は和食、洋食、
どちらになさいますか、
と聞かれ、
ご飯じゃないほう
と変な答えかたをした。
市電で市内を一周し、
気がついたら中書島駅前にいた。
あの頃、
そこへ行く伏見線は廃止になっていたはずなのに、
バスに乗ったのだろうか。
覚えていない。
カメラが重かった、キャノンFTb。
黒枠の写真なんておかしい、
とみんなに言われた。
思い出せないことが
たくさんあるこの旅と、
細かいことまで覚えている日常がある。
メモリと入出力装置の働きが、
阿頼耶識と自我の関係になっているからか。
あらゆるものは自心に由る。
まあ、
おもしろいけれど。