真言宗で常用しているのが『理趣経』。
正式名称は『大楽金剛不空真実三摩耶経般若波羅蜜多理趣品』
理趣とはサンスクリット語nayaの訳で、
意味は、導くもの、筋道。
般若波羅蜜(智慧)への道、ということ。
『理趣経』には17章あり、そのうち9つの章の後半に、
「熙怡微笑」(きいびしょう)という言葉がでてきます。
栂尾先生は、
「顔を和らげ、心を喜ばし、ほほえみを口のほとりにたたえつつ」
と訳しています。
各章では、
それぞれに登場する如来が、それぞれの聞き手に、
悟り、富、曼荼羅、供養、忿怒などについて説きます。
その教えを聞いた聴衆は
熙怡微笑して、復習確認実証します。
熙怡微笑は歓喜の相、
内心の悟りを説くものです。
知らないこと、わからないことを教えてもらう。
分かった(覚った)のでうれしい、安心する、歓喜する。
そして、
教えてもらったことを明確に確認するため、
にっこり微笑んで、復唱したり、ノートにまとめたり、
教わった通りの言動をとる。
何かを覚れば、人は微笑むのだろうな。
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