心は、
喜怒哀楽を始め、さまざまな思いが常に連続して流れています。
そして、
心が思うことは無量であり、
それは、智慧も無量であること。
真言密教の境地を、秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん)と云います。
それは『十住心論』に、
「究竟じて自心の源底を覚知し、
実の如く自身の数量を証悟す」
とあります。
心と身体が曼荼羅(さとりの世)になることです。
行い、言葉、想いを駆使し、
モノと心の不二、
モノと心の根源を体験する心。
自分の本性はどのようなものか、
自分は、自分以外の存在があるように、ある、
という世界。
重要なのは、
仏の心ではなく、仏の身体になること、それが即身成仏です。
悟りは身体と環境から生まれる心の働きであり、
心の本体は身体だからです。
秘密荘厳心は、「私自体のありさま」であり、
『十住心論鈔』には、
「一切衆生自心の中にひとしく両部海会曼荼の功徳を備ふ。
流転生死の間も曾て闕減有ること無し。
深くこの理を信ずるを以て自心の源底を知ると名く」
そして、
「両部海会に付すに一部に十世界塵数の聖衆有り。
此の無数の聖衆を信仰するはすなわち自身の数量を悟るなり」
とあります。