丸山 薫の詩に、
「犬は跣足なり 」があります。
ある日みんなと縁側にいて
ふいにはらはらと涙がこぼれおちた
母は眼に埃でもはいったのかと訊き
妻は怪訝な面持をして私をみた
私は笑って紛らそうとしたが
溢れるものは隠す術もなかった
せんちめんたるなと責めるなかれ
実につまらぬことが悲しかったのだ
愛する犬 綿のような毛竝をふさふささせ
私たちよりも怜悧で正直な小さな魂が
いつも跣足で地面から見上げているのが
可哀相でならなかったのだ
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小さな生き物をみていると、
怜悧で正直だと感じます。
食と性の欲望だけで生きている、
異生羝羊なんて考えるのは、
おかしい。
餌が足らなくても怒らない。
無ければそれでいいという態度。
そこには、
大日の無邪気な智慧の世界があるかもしれない。
せまいところで
温度湿度を管理されて、
エサをあたえられ
外へ出て、
自分の力では生きていけない。
たまに外へ出しても、
すぐに帰ります。
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ここは安全で、
快適で、
悩み無き世界なんだろうな。
ここで充分。
ああ、君たちのようになりたい。
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