『父・宮脇俊三への旅』(宮脇灯子・角川文庫)に、
「魔法のスープ」という章があります。
生死にかかわる病での入院生活。
食欲も無い上、
もともと偏食で病院食など食べるに値しないと思っているから何も受け付けない。
何とかしたいと奥様が手作りのスープを病院に運びます。
それを、
「おいしい」と言ってガブガブ飲む。
おいしい、なんていう言葉を家族は久しぶりに聞きます。
「ママのスープはまだ?」
と聞いたり、
「奥様のスープが来るまでは食事に手をつけないんです」
と看護婦さんに言われたり。
そのスープにはガンに効くと言われたアガリスクがミキサーされています。
本人はそんなものが入っていると知ったら絶対に飲まない。
そういう類が嫌いなのはもちろん、「読むに値しないひどい文章で、宣伝以外の何物でもない低俗な本」に紹介されているようなものは、中央公論に宮脇あり、と言われた伝説の名編集者としては、そんなものを飲んだら沽券にかかわる、と言う。
でも、それを知らずにママのスープが来れば、寝たきりの姿から起き上がって「おいしい」と飲みます。
そいういうスープが、本当の料理なんだろうな。
僕の魔法のスープも、
そういうスープにしたいものです。
凍っている心も溶かせるように。
希望がわくように。
汁・スープは食べる水分。
陽性を消しながら、
お腹を温めます。
世界中にある、飲む食べもの。
5種類以上の素材を小さく切り、
少ない昆布出汁に、
ひとつづつ順番に鍋に入れ、
好みで調味して、
ゆっくり炊きます。
最後に水を足して人数分にします。
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