
これは金剛界曼荼羅。
元々覚っている、という世界、つまり主体、自分の精神世界、
悟り(真理)の世界へ行くプロセスを図画にしたもの。

こちらは、胎蔵曼荼羅。
世界のすべては本来生じることも滅することもない、
そういう世界、宇宙、つまり客体、自分以外の世界、
宇宙の真理が展開する内容。
この、主体と客体、自分と自分以外は不二である、
というのが密教の立場です。別々ではない。
『理趣経』第十一段に曼荼羅について説かれています。
これの段は普集の法門と云われ、
松長先生は、この段のことを
みんなあつまれ
と書いています(『理趣経』)
真理をあまねく集めた曼荼羅の教えがその内容。
聖と俗の両方、すべての本質を眼に見えるかたちであらわす曼荼羅を説いています。
栂尾先生の和文経典では、
とわのひとしさ うちたてる 妙慧の道は平等なり
とみのねもとを うちたてる 妙慧の道は宝なり
もののまことを うちたてる 妙慧の道は清らかなり
わざのさがをば うちたてる 妙慧の道は ほろびなし
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