『即身成仏義』には、
万物の本体である六大(地水火風空識)が、
一切の仏と一切の衆生と一切の国土環境を創造する、
とあります。
それはどういうことか。
『大日経』巻三 悉地出現品第六の偈が引用されています。
これはもともと、仏が現れる姿を説いたものですが、
お大師さんは、
六大がすべてを生み出すことを説いた、
としています。
「真言者円壇を、まず自体に置け、
足より臍にいたるまで、大金剛輪を成し、
これより心に至るまで
まさに水輪を思惟すべし、
水輪の上に火輪あり、
火輪の上に風輪あり」
真言者は識大(無垢ないのち)、
円壇は空大(染まらないとらわれない空間)
を表現しています。
自分の身体が、
妨げるものがなく全てを包み込む虚空(宇宙空間)にある、
五大を表す五字そのものである、
と、イメージします。
そして、
足から臍までが、
本来不生(もともと存在していた)の大地、
そこから心に至るまでが
言葉による分別を超えた、
つまり、分割することができないという水輪であり、
水輪の上に、
汚れを焼き尽くすエネルギーである火輪があり、
火輪の上に、
原因と条件の束縛を吹き払う風輪がある、と。