『菩提心論』に書かれています。
無上の正しき完全な覚りである、
阿耨多羅三藐三菩提を求める人に必要なのが、
勝義、行願、三摩地。
勝義は最高の智慧、
存在とはなにか、
一切のものに自性なく、
一切は自心に含まれ、
その自心は本来清浄で、
ものすごく大きいことを悟ること。
行願は慈悲、生きるということ、
すべての世の人を救う、
という誓いを実行する心。
三摩地は、
精神集中が深まりきった状態、
完全に自由な心、
仏と同一相応融合した心。
栂尾先生は「こころまとめ」と訳しています。
つまり、お祈り。
お祈りによって、
ものの見かた受け取りかたが変わります。
本来清浄という心の状態で、
毎日の事態に対応できるようになります。
『十住心論』第一に、
「地獄極楽も、仏も鬼も、迷い悟りも、
輪廻解脱も、偏り正しさも、
実体を得るも得ないも、
歪んだものも完全なものも、
浅い教えも深い教えも
全ては自分の心の言い換えに過ぎない。
いずれを捨てて、
いずれを取るというのではない」
とあります。
そういう心になるために、
勝義行願を身につけるために、
お祈りします。
ポピュラーなお祈り方法が念誦。
姿勢と呼吸を調え、
智慧と慈悲が説かれた真言の意味を噛み締めながら
お大師さんの言葉を思い起こしながら
唱えます。
私の口→仏(宇宙・現実世界)の耳・毛穴→仏の心→
仏の口→私の耳・毛穴→私の心→
私の口→仏の耳・毛穴→・・・・。