仏典にはいろいろな花が登場します。
ジャスミンもそのひとつ。
「華の香は
風にさからいては行かず
栴檀も多伽羅も
茉莉花もまた然り
されど
善きひとの香は
風にさからいつつもゆく
善きひとの徳は
すべての方に薫る」
(講談社学術文庫『法句経』第四品「華」54)
「栴檀と多伽羅と
青蓮華と
はた抜師吉と
このもろもろの
香のなかに
戎の香こそ
最上なり
(同55)
多伽羅(tagara)はサンユウカ。
梵和辞典を引くと、
樹の名として甘松、木香樹
香の名としてかつら、根香、格香、零陵香など
茉莉花はジャスミン(の一種)
サンスクリット語のマーリカー(mālikā)
辞書には、
花輪、首飾り
花の名として摩利迦
とあります。
抜師吉はサンスクリット語のヴァールシカー(vārṣilkā)
辞書には、
婆利師迦(花)
雨期に育つ、という意味でジャスミンのこと。
どれも芳香を放ちます。
そして、
どんな華の香より、徳行の香こそ最上である、ということ。
私はジャスミン茶が好きで、毎日飲んでいます。