パーンダラヴァーシニーPāṇḍara-vāsinīに
白処尊菩薩と白衣観音の訳があります。
『梵和辞典』を引くと、
pāṇḍara は、
白、黄
vāsin は、
1,を着た
2,住する、暮らす
なので、
白衣を着たもの
または
白き処に住するもの
と訳す。
この白は、
自心である浄菩提心
『大日経疏』には
白とは仏の境界より生じる菩提心を指す
この菩提心たる白処に住するなら諸仏を生み出すので、
この尊は観音の母、蓮華部の主である
とあります。
後期密教の仏典『チベット死者の書』に、
(存在本来の姿の中有・第三の光明の体験)
「四日目には、火の元素(火大)からできている浄化の働きをする赤色の光明が現れるであろう。
その時に、西方の赤色のスクァーヴァティーという安楽国から、
アミターバ如来が赤色の身体をして、
手には蓮華を以って孔雀の座に坐し、
女尊パーンダラヴァーシニーと接吻した姿で現れてくるであろう」
(『チベット死者の書』ちくま学芸文庫)
とある。
空性の智慧と
慈悲の方便が一致した姿。
赤色の光は、妙観察智
この光は阿弥陀・白衣両尊の心臓から発して、
あなたの心臓めがけ、さしてきます
智慧が菩提心へ。
普段から、
見たり聞いたり嗅いだり味わったり触れたりしたことを、
心の中で、正確に思い浮かべます。
そして、
すべての違いを観察し、分析し、
慈悲の行いにつなげます。