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明星を拝もう

仏教と密教

毎朝、金星がきれいに見えます。
朝3時から5時くらい、
拝むのに、もっとも適した時間です。
肺の良く働く時間だから。

明けの明星を拝む明星礼は、
真言密教ではポピュラーな拝みかた。
明星、金星を宇宙全体の象徴と観る場合と、
虚空蔵菩薩の化身とする拝みかたがあります。

虚空蔵菩薩求聞持法は、
虚空蔵菩薩の真言を百万遍唱えるシンプルな修法。
お大師さんは若いころ、この法を何度も修して、密教の神秘体験を得ました。
『三教指帰』には、
「阿波の大滝岳に登りよじ、土佐の室戸岬に勤念す。
 谷響きを惜しまず、明星来影す」
『御遺告』には、
「土左の室生門の崎に寂暫ス。
 心に観づるに、明星口に入り、
 虚空蔵光明照し来りて、菩薩の威を顕し、
 仏法の無にを現ず」
とあります。
この明星は大日如来であり、虚空蔵菩薩です。

明星を観て、宇宙、大日、虚空蔵を想い、
明星に坐る、
明星になる、
自身即金星即虚空蔵菩薩もしくは大日法界
と、心ゆくまで観想します。

虚空蔵菩薩の真言にはいくつかありますが、
ポピュラーなのは
Namo ākāśa-garbhāya oṃ māli kamari maulii svāhā
南無虚空蔵 われをして三身の功徳福徳真如大智を成就し、円満せしめたまへ
華鬘蓮華冠を有する虚空蔵に帰命する
といった感じ。

求聞持法は時間がかかりますが、
使う印・真言は虚空蔵菩薩のそれひとつのみ、
宗派僧俗にかかわらず、だれでも修法できます。
真言宗に関心があるなら、一度は修法しましょう。

いずれにしても、
早朝、金星を観て、虚空を拝んでみる。
何日か続けてみる。すると、
虚空はすべてを包み込むものであり、
総てが存在する場所。
無染無着、何にも染まらず執着がなく、
汚れと清らかという仕切りも無い、
ということを体験します。

僕らはそれぞれ違いがあります。
キリンは首が長く、象は鼻が長い。
そして、僕らはみな平等です。
同じように仏性がある。
そういうことが虚空に満ちている。
ですから、
虚空=自性清浄心。

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