トカゲに手を出すと、
するすると腕を登ってきます。
高いところが好きなのでしょう。
肩や頭頂にとまって、じっとします。

5分10分動かない。
何を考えているのだろう。
何のために、
じっとしているのだろう。
せっかくだから、
こちらも呼吸を調え、
心を調えます。

私の上にはトカゲがいる。
そのうち、
私とトカゲはひとつである。
くっついているものね。
私の髪、私の皮膚、私の身体と同じ。
でも、
「私」というものは、
どこにも無い。
だから、
私はトカゲである。
トカゲは私である。
トカゲと私と宇宙を構成しているものは同じ。
それらが行ったり来たりしている。
ありのまま
大海に立つ波
風が強く吹いているときは風になります。
風音は聞こえない。
セミが鳴いているときにはセミになります。
蝉時雨は聞こえない。
桜が咲いたら、
吉野山転びてもまた花の中
自他無差別
まったくの自由
ひとつになって静かになるから、
迷悩は消える。
そして、
穏やかな時間を、
ありがとうございます。
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