何が無いのか

『般若心経』に、
「無眼耳鼻舌身意」
眼も耳も鼻も舌も身体も意識も、
実体は無い

「無色聲香味触法」
モノも音も匂いも味も感触も世の中の全ても、
実体は無い

とあります。

何にも無いのかしら。

例えば
あなたと手をつなぐ。
最初はあなたの手を感じているけれど、
そのうち
つないでいることを忘れ、
僕の手はあなたの手になっている。
あなたとつながっている。
僕はあなたである。
いや、
僕とあなたという区別が無くなっている。

つまり、
あなたも僕も無い。

そうした時
もし僕が悟れば、
あなたは僕なのだから
あなたも悟ります。

子を抱いている時
その感覚も重さも忘れ、
ひとつになるような。

鳴き声を聞いている時、
だんだん自分が鳴き声になる、
鳴き声を出しているものになる。
境目が無くなる。

さあ、ゆっくり呼吸して心を調えましょう。
何かに触れて、
そこに集中します。

区別が無くなり、
空になります。
実体はなく、
縁によっているだけ。
そこには苦悩は無いはず。