覚鑁さんの『一期大要秘密集』に月の十徳が説かれています。
月とは、
1、円満 2、潔白 3、清浄 4、清涼 5、明照
6、独尊(誰もがひとりひとり月のように尊い)
7、中道(かたよってとらわれることがない)
8、速疾(変化成長する)
9、巡転(執着なし)
10、普現
心とはこの月のようなもの。
『菩提心論』には、
本心を見れば
それは水のしずかにして清浄なるが如く、
また満月の光の虚空に遍満して恍惚として
あらゆる計らいを離れてる如くである
とあります。
月のような心が自身の中にあるとしたら、
それを拡大してみます。
大きく大きくなって、宇宙法界に広がるように。
次に、
その心を縮めて自身の中におさめます。
全部みんな自分の中にある。
好きな人も嫌いな人も、どちらでもない人も、
みんな自分の中にある。
大きくすれば宇宙に中に一緒にいる。
心は色形がないから月で代替する、平和の象徴としてもいい。
このように考え、心を観察してみます。
自心の中の月や平和が
自身になったと思うこともできます。
月の十徳は自心中のことではなく、自身である、と。