智慧(一切のモノも心も、それ自体で独立して存在していないと知ること)
慈悲(一切の存在を自己とも恩人とも思う)
のふたつだけでは成仏の実現は無い。
ありのままの、はからいのない心をもって
完全なる仏の大菩提心に安住すべきである
(『菩提心論』)
大菩提心に安住とは、
本来の自分になるための瞑想行。
この瞑想行に、
日月輪観、五相成身観、阿字観、三密行等があります。
『菩提心論』には、下記のように説かれます。
瑜伽の観行を修習する人は、まさにすべからく三密行を修し、
五相成身観の義を証悟るべきである。
三密行は
仏の身体の秘密
修法では手に印を結び、聖衆を自心に招き、曼荼羅世界を心内に構築します。
日々の行動では、大自然法界街並みが、ほとけのいのちの現れである印
と観て行動する。
仏の言葉の秘密
修法では真言を唱える時に、
その音と句とを心に観じて明了にする。
日常では、
よく考えて他に害を与えず、心静かになる言葉を使う。
仏の心の秘密
修法では心を統一する禅定、瞑想行。
例えば、
清浄円満な月輪と同じである菩提心を観じる。
毎日の生活では、
自然街並み生き物の言動全てに仏のサインを見る、
そこかしこに月輪を見る。
つまり、
行うこと、使う言葉、想うことを
仏のなされかた、仏の言葉、仏の御心にする。
心は何重もの輪のように、
何層もの塔のように、
重なり合っています。
その自心の奥底をよくよく観察すると、
人生を磨く心があり、
ゴールを目指す壊れない心があり、
その心を持つ、身体があります。