『理趣経』第三段に、
「設害三界一切有情不堕悪趣」
たとえあらゆる世界の人間を殺害しようとも、
地獄等の悪い世界に堕ちることはない。
『和文経典』では、
たといこの世の難調者のすべてを降伏し、
その辺見をことごとく殺害することありとも、
そのために悪趣におちることなく
対象者は、
ものすごく悪い人。
さて、
どうすれば、そうなるか、
正木先生の現代語訳『理趣経』では、
欲望も怒りも愚かさも、
自我意識から解放されて、
自在に駆使できるならば、
大いなる善の力を生み出し、
ありとあらゆる邪悪に打ち勝つことができる。
その人は悪いことをしても地獄へ堕ちない、
欲望と怒りと愚かしさという煩悩を克服し、
真理に目覚める結果を招いて、
速やかに無上の悟りを得る。
『和文経典』は、
「人の心を調えるそのいさおしさによるがゆえに、
速やかにこよなき正しき悟りを得るなるべし』
『弁惑指南』では、
どんな人も、生き物も、モノも、
その本体は、地水火風空識の六大だから、
何でも無二。
それを体得している人は、
別という思いが無いから、
有無もなく、
差別も無く、
悪いことをして、地獄へ堕ちるということはない。
徹底的な平等の境地に達した世界。
OFUSEで応援を送る