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もっと近い印象

仏教と密教

達人の見かたでは、
すべてはありのままであり、
無限から生じて滅します。

『秘蔵記』96には、
「本不生際というは、
 心は虚空のごとくにして不生不滅なり
 この本不生は不可得なり」

本不生は、ありのままである無限、
それは、
心が虚空のように不生不滅であること、
大空のまんまで区切りが無いこと。
はじまりもおわりもないまま縁起して、
仮に存在し、滅してゆきます。

同じく66に、
「五字の観において不可得を観づるその意いかん
 これは遣迷の義なり
 至極の義にはあらず
 円明を観づるこれ至極の義なり」

円明とは無限
すべてに常住不変の自性はなく、
生滅するもの。
創造者や万物を生み出す根源はなく、
はじめもおわりもないまま。
円明だけだから分別がない、
無限。

遠くのものは、
街や森や、あれこれと区別があるように見えます。
でも、
近くによれば、ひとつ。

あかるいだけ。
近くに観想してみましょう。

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