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智慧あるものとして生きる

仏教と密教

人生は、生老病死という苦である、
と、お釈迦さまは考えました。
好きな人と別れる愛別離苦あいべつりくや、
欲しいものが得られない求不得苦ぐふっとくくもあります。
お金やモノだけではなく、
もっと才能や体力が欲しい、
ということもある。
それらの苦の原因は、
自分の内側にあります。

その根本は、
無始むし間隔けんきゃく
と『菩提心論』に説かれています。
仏と自分を間隔(分かつ)微細の迷い。
自他、主客を分ける心のこと。
これによって、苦しみ、
ここから、
貪り瞋り愚痴慢心疑いなどの、迷い煩悩が生じます。

なので、
瞑想によって、その間隔を切る、
自他の間に仕切りがなくなる、
無始の間隔を超える、

そうすると、どうなるのか。

『菩提心論』には、
「もしこの妙なる円明の観行にして円満し成就せば
 空間的には十方国土のすべて
 時間的には過去現在未来
 すべてを漏らすことなく
 心月輪の中に現じて、
 いずれもが仏の身体を悟り得て、
 自利と利他との両面にわたる、
 全き仏の一切の行いを満足することを、
 照見する」

とあります。

私の中にすべてが入り、
一切がぱっと見える、聞こえる、
ということ。

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